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道央

NPO法人八剣山エコケータリング 代表 ビアンカ・フュルスト さん 【札幌市】

エコの楽しさ、おいしさ、気持ちよさや可能性を伝えたい

1966年生まれ、ドイツ南部ウルム出身。熊本大学に留学し環境政治を学び、ドイツに戻り大学院を経て1996年に札幌国際交流プラザの交流員となる。札幌市のまちづくりをきっかけに、北海道のエコ活動に取り組むようになる。果樹園を営む夫と結婚し、3児の母。

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きっかけ
 札幌市内で生活し始めた時、自転車で走ると車道も歩道も走りにくく不便だと感じました。ドイツでは自転車が優先されることが当たり前だったけれど、北海道では違う。昔は、ドイツも環境汚染が進み、国を挙げて環境保全に取り組み始めてから変わったので、同じように北海道も変わることができると考えました。縁あって結婚した夫が果樹園を営んでいたので、ソーラーシステムを設置し、無農薬・減農薬でつくった野菜を使ったエコケータリングや、ドイツの環境教育の体験などを提供するようになりました。
苦労
 北海道でドイツのエコ活動について説明しても、「ドイツだからできるけど、ここでは無理だよ」と言われてしまいます。そこで、まずは札幌市内で実績を作ろうと考え、果樹園に太陽光発電や太陽熱でお湯を作るソーラーコレクターを設置し、ソーラークッキング等の体験学習ができるようにしました。最初にソーラーシステムを導入する時、家族の理解を得ることが難しかったですね。しかし、果樹園にエコケータリングの体験者が数多く訪れる今、ソーラーシステムは家族の自慢になっています!
満足度
 果樹園にソーラーシステムを導入した当初、周囲からは「変わったことをやっている」という目で見られていましたが、東北での震災や自然災害が多発する中で、自家発電装置等に注目が集まり、周囲の目が変わってきていると感じてます。ドイツの事にも興味を持ってくれて、「ドイツではどうなの?教えて」と言って交流してくださる方が多いです。好奇心は、受け入れてくれる第一歩だと思いますので、色々な方から応援されて、温かく受け入れられていることは嬉しいですね。北海道には、住民同士の支え合いの意識があると思います。
これから
 北海道には、多くのチャンスが眠っていると感じています。北海道が元気になるヒントが、ドイツにあるような気がします。まず、果樹園を自給自足で運営し、エコ生活のモデルにしたいです。そして、エコケータリングで楽しい、おいしい、気持ちよいという自然素材の良さを感じ、環境技術の可能性を知ってもらう等、交流・学びの場として続けていきたいです。また、日本とドイツだけでなく、東南アジア等の世界各国ともつながり、お互いに学んだり教えたりして持続可能な社会をつくるため、地域の方々の国際理解を深めていきたいです。
  • ビアンカさんイメージ1
  • ビアンカさんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

周囲に「無理だ」と言われても諦めないで!「乗り越えることが自分の課題だ」と考え、無理と言われたことこそトライしてみてください。新しいことを始める時、壁に当たるのは当然です。変えたくても変えられないものは、自分の見る角度、視点を変えてみると良いですよ。

取材年月日:
2017年2月28日