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道東

株式会社知床らうすリンクル 代表取締役 後藤 菜生子さん

自然と共生する地域住民に魅せられて

1982年生まれ、埼玉県出身。福島県内の動物病院に就職後、2008年から羅臼町で環境省のアクティブ・レンジャー(自然保護官補佐)に就く。知床国立公園内の動植物の生態調査などに携わりながら、2013年に自然と地元の漁業などを案内するガイド会社「株式会社知床らうすリンクル」を設立する。

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きっかけ
 山登りが好きな両親だったので、幼いころから妹と一緒によく山に行きました。自然の中で動植物に触れることが多く、その影響もあって東京の専門学校では、環境工学を学びました。その後は動物病院に勤務しましたが、憧れの知床でアクティブ・レンジャーの募集があると聞き、羅臼町への移住を決断しました。手つかずの大自然はもちろんですが、厳しい環境下で漁業を生計としている住民にも惹かれ、知床を多くの方に案内したいと考え、会社を立ち上げました。
苦労
 周りからは、道外から来た自然好きな若い女の子ってイメージがあるかと思います。それでも自ら地域の方々の中に飛び込んでいって、色々なことを教えていただき、さらに学ぶことで、より一層知床が好きになっていきます。知床半島を周遊する観光ツアーは同業他社が多いので、個性を出さなければなりません。そこで少し視点を変えて、地元で昆布漁を営む方々を紹介しながら、その方たちの歴史と文化を学ぶ産業ガイドを企画するなど、試行錯誤しながら頑張っています。
満足度
 四季ごとにさまざまな表情を見せてくれる秘境の地、知床。アクティブ・レンジャーで何度も足を運んだ羅臼湖はお気に入りの一つ。6、7月に残雪の中を長靴で1時間ほど歩くと、おそらく日本で一番遅く咲くエゾヤマザクラが見えてきます。お客様は、そのコントラストの素晴らしさに感動を覚えます。私もその姿を見て共感し、この仕事を誇りに思ったりします。地元の漁師さんは、市場セリの見学や漁船でのウニ漁見学ツアーなど親身になって協力してくれるので、とてもありがたいですね。
これから
 知床の世界自然遺産登録から10年が経ちました。多くの観光客が訪れていますが、自然の宝庫・知床の環境保全と観光推進については、いま一度考え直し、地域との繋がりを密にしながら、各種ツアーを企画していきたいですね。2014年から、東京都でデザイン関連の仕事をしていた妹・真希子が羅臼町に来て一緒に仕事をしています。パンフレットやホームページづくりなどを担当してくれるので、とても心強いですね。海産物の包装や商品パッケージのデザイン提案など、仕事の幅を広げていければと思います。
  • 後藤 菜生子さんイメージ1
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北の☆女性たちへのメッセージ

会社名の「リンクル」は、Link(リンク、つながる)とCycle(サイクル、循環)を合わせた造語です。支え合い、つながって暮らすのが「人」ですが、そんなLinkな感覚を羅臼町で感じています。女性ならではの感性や発想を打ち出し、それを高めてCycleすると新しい発見があるかもしれません。何事にもチャレンジ!ですね。

取材年月日:
2016年1月13日