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道央

立ち飲みBar Kaveri オーナー  日野 雅美さん

農業女子仲間で起業、自分で作った野菜を届けたい

1974年生まれ、福岡県北九州市出身。兵庫県神戸市で専門学校に通い、スノーボードのインストラクター資格を取得。新得町のサホロリゾートスキー場でインストラクターを始め、十勝で農業と出会う。2014年12月に、友人の平さんと倶知安町で立ち飲みBar「Kaveri」を開店。農水省の農業女子プロジェクトのメンバーとしても活躍中。

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オーナーの日野さん(中央)と
スタッフの平満純さん(右)、中西純子さん(左)

きっかけ
 40歳までに「何かを残したい」と考えていました。十勝でスノーボードのインストラクターをしていましたが、「山を替えよう」と考えていた時期に、神戸市の友人から「立ち飲み屋をやってみないか」と言われ、ニセコ町への移住と起業を考え始めました。最終的に背中を押したのは、小惑星探査機「はやぶさ」でした。開店には多くの障害があり、開店の延期を考えたこともありました。開店前の2014年12月、はやぶさ2の打ち上げを現地で見ましたが、その姿に大感動。数々の障害を克服したはやぶさと私たちの姿が重なり「見切り発車でもやろう」と決心しました。
苦労
 開店にこぎつけるまで一番苦労したのは、資金繰りでした。融資を受けるために金融機関に打診しましたが、最初はやはり断られ、それから様々な助成金を調べ、再度、金融機関に飛び込み、やっと開業資金のメドをつけました。私たちは、農場で働きながら店を開いていますが、夏は農場の繁忙期で早朝から畑に出て、店の営業を終えると、睡眠時間が3、4時間という日が続きます。それでも、自分たちの作っている野菜を食べてもらえること、自分たちがやりたかったことを実現できていることで、充実感の方が大きいです。
満足度
 開店から1年を過ぎましたが、予想以上の反響に驚いています。地元の方、仕事で来ている方、ニセコ地区の外国人など町内外の様々な方々の「出会い」の場となっています。知らない方同士が楽しそうに談笑する姿は、私たちが実現したかったことで、とても満足しています。農業女子プロジェクトにも参加していて、昨年、企業の刈払機やトラクターの開発に協力しました。こうした取り組みを倶知安農業高校で話す機会がありましたが、生徒たちの農業へのイメージが変わったようで、昔とは違う農業の姿を伝えられて良かったと思っています。
これから
 「2号店、3号店を出さないの?」と聞かれることがありますが、そうすると私たちではなくなる気がして、次の出店は考えていません。店で出す食材は、地産地消で自分の勤める農場や知り合いから仕入れていますが、将来的には、小さくてもいいから自分たちの畑を持って、店で出す野菜を作れたらいいなと思います。大きな夢は、宇宙食として宇宙に持っていってもらえる野菜を作り、JAXA(宇宙航空研究開発機構)に納入することです。私たちに勇気をくれた、はやぶさへの恩返しとして、実現できたらいいな。
  • 日野 雅美さんイメージ1
  • 日野 雅美さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

私たちの座右の銘は、「ゆっくりでも止まらなければ結構進む」です。私たちが大好きなはやぶさの開発に携わった教授の言葉ですが、開店するまで、開店してからもこの言葉に励まされ頑張っています。これからも、ゆっくりでもいいから、止まらずに一歩ずつ進もうと思っています。

取材年月日:
2016年2月24日