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道北

北海道指導農業士協会 理事  伊藤 まち子さん

ドアを開け、外に出て、女性という「個性」発揮を

1964年生まれ、苫前町出身。農協職員だった27歳の時、夫の克司さんと結婚。負債農家だった牧場を、財務経理の経験を生かして立て直す。町内の酪農女性グループ「モーモーみるく倶楽部」代表や、2001年の「留萌管内農村女性ネットワーク”オロロン”」の立ち上げにも参画する。3女の母。

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きっかけ
 1998年に、自分が経験してきたパートナーシップ型経営を全国酪農青年婦人会議で発表しました。これがきっかけで、さまざまな方から声がかかるようになり、2006年には指導農業士にも選ばれました。外に出て行くことで、さまざまな刺激や出会いがあり、それが縁でさらに輪が広がっていきました。道外の方とお話をしていると、いつも北海道の「食」のすばらしさを話してくれます。地元だけにいるとなかなか気付かない北海道、農業、酪農そして苫前町の良さが自信となって、さらに前進、となりました。
苦労
 結婚する前は農協で経理や財務を担当していたので、結婚相手の財務状況は知っていました。「ここに嫁ぐ人は大変だなー」と思っていましたが、こうなったのは「勢い」ですね。牧場の負債はそれほど気になりませんでした。財務と経理の経験を生かせば何とかなる、と思いましたから。苦労したのは育児と酪農という仕事です。すべて初めての経験で、本当に忙しくて時間に追われる毎日でした。ある時期は24時間夫と交代で働いたこともあります。でも、何とかなったのは「手抜き」のおかげかもしれませんね。
満足度
 自分から進んで先に立って、という気持ちはありませんでしたが、行動していて、ふと後ろを見るとそうなっていた、という感じですね。大事にしたのは「無理をしない、させない」ことです。年齢や生活環境が異なる女性の集まりですから、どうしても個人差が出ます。「継続は力なり」を信条に「手抜き上手」をうまく使い分けてきたので続いたのかな、と思っています。外に出て行くことは、良い意味での刺激となります。でも一人ではなかなか難しい。みんなが集まればそれが可能で、参加した方々が元気と自信を持つことができたのでは、と考えています。
これから
 2015年に町議会議員に選ばれました。女性議員は初めてです。まずは町の審議会や委員会などの女性の登用率を高めることを求めています。女性には一本気な行動力があります。もっと多くの場面で女性が意見を発信できるようになれば、間違いなく町の活性化につながると思います。議員という立場を活かして、女性の「のびしろ」を具体化するために行動します。酪農家としては、TPPが課題です。今後は外国だけではなく地域間の競争が激しくなると思います。「苫前カラー」をつくり上げるためには、女性の存在が不可欠だと思います。
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北の☆女性たちへのメッセージ

私は外に出る前、自分の仕事に誇りが持てませんでした。3K(汚い・苦しい・危険)ですから。でも、外に出ることで、大切な「食」に携わる自分の仕事と、ふるさと・苫前町に誇りと自信を持つことができました。女性であるということは「個性」です。ドアを開け、外に出て「個性」を発揮しましょう!

取材年月日:
2016年1月28日