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道央

北海道指導漁業士、えりも漁業協同組合えりも岬女性部長 川﨑 尚子 さん 【えりも町】

雑魚に光を当て、全道の漁師と若い世代の未来を明るく

1955年生まれ、えりも町出身。昆布漁師の実家で小さい頃から家業を手伝っていた。地元の青年会で出会った昆布漁師の夫と1976年に結婚。漁協女性部の活動で、雑魚とされていた「ヤマノカミ(オニカジカ)」の加工等に取り組み、埋もれた食材の普及に努めている。

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きっかけ
 うちは昆布漁師ですが、カレイ刺し網等の漁で11月下旬から12月下旬頃まで息子が漁船に乗っており、私は港で魚の選別等の手伝いをしていました。その時、ハタハタやカレイなど売り物になる魚だけが市場に運ばれ、その他の雑魚が廃棄されることがもったいないとずっと思っていました。2004年に日高支庁(現在の日高振興局)の企画で「埋もれた食材セミナー」を開催する時に、漁協女性部で協力することになり、私がヤマノカミの加工を任されました。見た目がゴツゴツしていて、誰も加工したがらなかったんですよ(笑)。
苦労
 ヤマノカミの加工は、色々やってみましたね。まず素揚げにしてみたのですが、味が淡泊でおいしくなかったんです(笑)。でも、素直な味だとわかり、これは良い味付けをしたら絶対においしくなると確信しました。それでザンギ(唐揚げ)を作ったら、もうバッチリ!白身の食感がさっぱりした鶏肉のようで、とてもおいしくなりました。また、年配の浜の母さん達から「とも和えもおいしいよ」と教えてもらったり、うちの昆布を使って昆布巻きの芯に入れたりして、色々な料理でヤマノカミをおいしく食べることができるようになりました。
満足度
 ヤマノカミ等の雑魚を上手に加工して、商品化できたことに満足しています。2007年にはコープさっぽろ農業賞漁業奨励賞を受賞し、日高振興局のホームページには「日高の埋もれた食材レシピ集」を載せてもらっています。浦河町の「浜のかあさん直売所」には、ヤマノカミの昆布巻きや毛つぶの甘露煮など、雑魚の加工品が並んでいます。今まで捨てられていた雑魚が日の目を見られて、本当に良かったと思います。あと、「ヤマノカミなんか売り物にならない」と言っていた息子が喜んでくれたことも嬉しいですね。
これから
 雑魚を買い取って加工してくれる大手の企業を探しています。私たちで加工販売もできますが、それでは私たちだけの利益になってしまいます。雑魚は全道各地の海で捕れるので、全道の漁師に利益が行くように、どこの浜でも、数が少なくても買ってくれる企業が良いのです。そして、若い世代の未来を明るいものにしたいです。2016年の連続台風の影響で、えりも町も1958年以来の不漁でしたが、めげずにがんばりたい!あとは、襟裳岬のパワースポット「風の館」で、浜の母さん食堂をやってみたいです。地元ならではの味、本物の素材の味を皆さんに食べてもらって、心身共に元気にしたいです。
  • 川﨑さんイメージ1
  • 川﨑さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

とにかく前向きに明るくやっていくこと!難しく考えすぎると、何もできなくなってしまいます。今、自分が良いと思うことを積極的にやって大丈夫です。感謝の心を忘れずに進んでいくと、周囲はついてきてくれます。北海道の良さを一緒に広めていきましょう!

取材年月日:
2017年1月19日