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道央

ミチクル編集工房 編集者 來嶋 路子 さん 【岩見沢市】

うちへおいでよ!みんなでつくるエコビレッジ

1972年生まれ、東京都出身。東京造形大学卒業後、1994年に美術出版社に就職。結婚・出産後、育児休業中の2011年に岩見沢市へ移住し、在宅勤務で編集長を務める。2015年に独立しミチクル編集工房を設立。マガジンハウスのウェブ「コロカル」にて、エコビレッジ奮闘記を連載。http://michikuru.com/

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きっかけ
 東京都内で育休中に、東日本大震災がありました。震災は暮らしを見つめ直すきっかけとなり、都会を離れて子どもを育てたいと、夫の実家がある岩見沢市に移住することを決めました。当時在籍していた会社に北海道での在宅勤務を提案し了承を得たので、2011年に岩見沢市に移住、2015年に独立しました。編集業の傍ら「自分はここで何ができる?」と考えていたのですが、そのとき東京から遊びに来た友人が「北海道サイコー!」と喜ぶ姿を思い出しました。仕事柄、クリエイティブな職業の友人が多く、彼らが滞在し、地元の方々と交流できる場があったら、そんなエコビレッジをつくりたい!と思うようになりました。
苦労
 岩見沢市に移住して数年は、出版社の仕事がかなり忙しく、編集長だったので売り上げについても考えなければならず、地域の人たちと交流する時間があまりありませんでした。当時は、友人や知人が多くはなかったので、寂しい思いもしましたね。移住して5年くらいたった頃から、ようやく気心の通じる仲間ができて、何でも話し合えるようになりました。エコビレッジの活動では、山の購入を考えて森林組合に相談したりしていましたが、先輩たちからのアドバイスを受けて、今は山里の美流渡(みると)地区を拠点にしようと考えています。
満足度
 日々できることをやっているだけなので、満足度は考えたこともありませんが、仲間と岩見沢市内の山里PRプロジェクト「みる・とーぶ」を立ち上げ、ここから人や物の新しい動きが生まれていることは、嬉しく思っています。2017年4月に、札幌市内で地元のアーティストや工芸家の作品を集めた「みる・とーぶ」展を開催しました。このプロジェクトから人との出会いが生まれ、美流渡地区周辺で新しい物づくりのきっかけができています。地域に深く関わる企画をこれからも仲間と一緒に進めていくことが、とても楽みです。
これから
 近いうちに美流渡地区に転居する予定で、ここでエコビレッジ作りを模索していきたいと考えています。また、近くの山を購入したので、こちらは「山活!(ヤマカツ)」として整備したり遊んだりしていきたいです(笑)。編集者としては、これまで出版社で20年以上、多くの人が興味を持つ「売れる本」を作ろうとしてきましたが、これからは知人に手紙を書くような気持ちで「小さな本」を作りたいと思っています。こうした想いから、先日、ミチクルブックスというシリーズを立ち上げ、「山を買う」という本をつくりました!また、仲間と「みる・とーぶ」の活動も続けていきたいです。
  • 來嶋さんイメージ1
  • 來嶋さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

もし北海道で、本の編集をされている方や、これからされたいと思っている方がいらっしゃったら、みんなでつながって何かワクワクするような活動ができたらと思っています。また、当面の目標であるエコビレッジづくりも、興味のある方とつながっていきたいと考えています。

取材年月日:
2017年4月17日