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十勝

前田農産食品株式会社 取締役 前田 晶子 さん【本別町】

自社農産物を使って安全で手軽においしい商品を展開

1975年生まれ、神奈川県横浜市出身。東京農業大学(世田谷キャンパス)を卒業後、東京都内の造園設計コンサルタントに就職。結婚を機に退職し、夫の実家がある本別町に移住。実家の農業ではなく他の仕事をしていたが、長女出産後の2003年に前田農産食品合資会社(現在は株式会社)に入社。

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きっかけ
 結婚を機に本別町に移住し、最初は農業ではなく他の仕事をしていましたが、家業である前田農産で経理を担当することとなり、入社しました。当時、道産小麦粉が出始めた頃で、パンづくりにはまっていた私が早速使ってみたところ、家族からは大好評!うちでも小麦を作ってみようということになり、まずは小麦を作付けし、それから小麦粉を作って小分けにしたものを周囲に配るところから始めました。今は、作付けした小麦の9割をパン用小麦粉にし、生産は夫、製造・販売は私が担当しています。
苦労
 小麦粉が軌道に乗り、小麦畑で輪作※できる農作物を探していた時、夫と「ポップコーンが良いのでは?」と話していたところ、夫がポップコーン作付け用の機械と製造用設備を購入してしまって…!多額の投資をすることになり、覚悟を決めてポップコーンの味付けやパッケージのデザイン等を決めました。5人の子どもと社員を守るために必死でしたね(笑)。子育てとの両立も、2人目までは自分一人で何とかできてしまうので大変でしたが、3人目からは周囲をフル活用!今は上の子達も支えてくれます。
満足度
 おかげさまで小麦粉もポップコーンも大変ご好評いただいております。卸しだけでなくインターネット等で直売もしているので、お客様から直接感想を伺えることが励みになります。生産者の顔が見える小麦粉は珍しいので、都市部のパン店や菓子店の方が小麦畑を見に来てくれることも嬉しいですね。会社も順調にスタッフを増やし、女性社員4人のうち3人が子育て中です。私も含めて、子育てとの両立のためにお互い支え合っています。彼女たちが生き生きと働いている姿を見ると本当に嬉しく、いつも元気をもらっています。
これから
 製造では、目標だったHACCP管理基準を導入することができました。今後は、北海道HACCPの認証を目指していきたいです。また、自社農産物を使った商品を色々と開発していきたいです。ポップコーンのように、安全で手軽においしく食べられるものを提供したいと考えており、ホットケーキミックスやインスタントラーメン等を検討しています。さらに、社員と一緒に会社も育てていきたい。道外からも積極的に新入社員を採用したいです。会社が成長することで、地域を盛り上げていくことができたらと思っています。
  • 前田さんイメージ1
  • 前田さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

私は「自分に何が向いているのか」ということばかり考えている時期がありましたが、やっているうちに「得意な仕事」になっていました。自分の得意不得意は、自分自身では意外と分からないものです。まずはやってみること!今は、やり続けて良かったと思っています。

取材年月日:
2017年11月9日