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道東

釧路モカ女性プロジェクト 代表 森崎 三記子 さん【釧路市】

「人づくり」基本に、自分らしく輝く女性を支援

1956年生まれ、釧路市出身。東日本大震災直後の2011年5月に、5人の仲間と市内の喫茶店でモカシェイクを食べながら会を立ち上げる。漁網を使ったボディタオルなどの売り上げは8,000個近くに達し、釧路市を代表するヒット商品に。

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きっかけ
 普段はハローワーク釧路のキャリアカウンセラーとして、仕事と子育ての両立をサポートする個別相談を担当しています。この仕事に就いて10年ほどになりますが、才能豊かで、情熱もあり、高い技術を持っているのに、さまざまな事情でそうした能力や情熱を発揮できないで、孤独感を募らせている方たちが多いことが分かり「もったいないな」という思いが強くなりました。「つなげれば強くなる」と考えて、2011年に「モカ」を立ち上げました。「もっと大きくカッコよくありたい」が名前の由来です。
苦労
 立ち上げから5年目を迎え、会員にも温度差が出てきたように感じます。漁網タオルとたわしが好評なのはうれしいのですが、「モカ」の目的は利益を上げることではなく「人づくり」です。「もっと事業をしたい」という方がいる一方で、「研修会を」という方もいて、正直舵取りには苦労することがあります。でも、最近は無理に型にはめようとせず、「モカ」の原点である「人づくり」を基本に、自分らしくしたいことをどんどんしていこう、と思うようになりました。
満足度
 「勉強会の場所代ぐらいは稼ごうか」と軽い気持ちで始めたのが、さんま漁網を使ったボディタオルの製作と販売です。漁網屋さんから無料でいただいて作ったのですが、これが想像以上に好評で、姉妹品のたわしと合わせて、今では活動の貴重な財源になっています。うれしいのは作業に携わっている方たちの反応です。彼女たちは、社会とつながりたくても育児や介護などでままなりません。「この場所があって本当に救われました」という声を聞くと、「モカ」やってて良かったな、と心から思います。
これから
 30代で離婚してから、小学生と幼稚園の3人の子どもたちと生きていくために、仕事は何でもやりました。さまざま場面での人との出会いが背中を押してくれました。ハローワークで相談を受けていると、当時の自分に似た方が大勢います。そんな方たちに「自分らしく生きていいんだよ、もっと輝けるんだよ」と声をかけ、「困ったら『モカ』においで」と言えるような場所になれば、と思っています。釧路のまちが大好きです。釧路市に住む女性がもっと元気になれば、まちも輝くと思います。そのお手伝いをしたいですね。

北の☆女性たちへのメッセージ

子育て中の女性は、社会とのつながりが薄く、孤独感に包まれています。そんな女性がつながって元気になれば、家庭も明るくなり、地域にも活気が生まれます。「自分らしく輝いて地域を元気にしよう」という女性がもっと増えてくれれば、と思っています。

取材年月日:
2015年10月24日