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道央

NPO法人お助けネット 代表  中谷 通恵 さん【白老町】

合言葉は「ともに育ち合える喜びにありがとう」

1960年生まれ、函館市出身。教員として8年間勤務。退職後は2004年に「NPO法人お助けネット」を設立。親子で自由に遊べる環境を提供しながらママ友の輪を広げる。道内各地での講演や執筆活動に励む傍ら、道の教育関連の公職などにも就く。

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きっかけ
 20代の頃は、小学校の教員をしていました。同じ教員の夫と結婚。やりがいのある教職をもっと続けたかったのですが、育児休暇中に夫の転勤が決まり退職しました。1990年に白老町へ転居して専業主婦になりましたが、見知らぬ地域での子育てに大きな不安がありました。当時はまだ「子育て支援」という概念がなく、赤ちゃん連れのお母さんが集まるような場がなかったのです。それなら自分でママ友の輪を作ろうと考え、まずは手づくりで子育て通信を発行し、活動を始めました。
苦労
 子育ての悩みは、当事者しかわからないものです。その悩みを共感してくれる方がいないと解決せず、前には進めません。相談するのは、近所のママ友であったり、子育ての先輩だったりしますが、なかなか声を掛けづらい状況にあります。当初、私たちの活動がなかなか理解してもらえず苦慮しました。若い女性が子育てで孤立しないよう、地域をあげて育児を支援していくことが重要と説きました。それには行政との連携が不可欠と考え、教育委員会などの会合にも積極的に参加し、実情を訴えました。
満足度
 最初は自宅で子育て通信の編集をしていて、多くのママ友が手伝ってくれました。その中で「子育てと家事に奮闘するお母さんは身近にたくさんいる」という実情を知り、共感を覚え、そこに団結力が芽生え、大きな力へと変わっていきました。現在、常設フリースペースとなる子育てふれあいセンターには、0~3歳くらいまでの子どもと保護者が数多く集まり、笑顔が絶えない空間ができています。運営には、子育てを終えられた60代の女性もボランティアで協力してくれ、心強く感じています。
これから
 少子高齢化社会が進み、高齢者が子どもたちの面倒を見る機会が増えています。夫婦共働きが定着するにつれ、女性が出産後に会社へ復帰し、管理職に就くケースも拡大することでしょう。だからこそ子育て支援のカリキュラムを充実させたい。子どもに「生まれてきてくれてありがとう」、親子が「ともに育ち合える喜びにありがとう」と思ってもらえるよう願いを込めて、この2つを“お助けネットの合言葉”とし、自然体で活動を続けていきます。

北の☆女性たちへのメッセージ

子育てに悩む母親の気持ちを共有したい、との思いで、皆さんに支えてもらいながら活動しています。今はさまざまな形で情報交換ができますが、実際に会うことで悩みを解決できることが多いのです。今後も子育てをしている母親の代弁者になりたいですね。

取材年月日:
平成27年11月18日