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十勝

農家のお店 ひより 店主 小笠原 美奈子 さん 【幕別町】

「愛を感じる」農家のお店で地域を盛り上げたい

1970年生まれ、幕別町出身。短大を卒業後、幕別町役場に保育士として入庁。結婚後、産休・育休を経て退職。2012年に夫の実家に就農。2013年から農家の店「ひより」をオープン。十勝若手女性農業者ネットワーク「農と暮らしの委員会」メンバー。家族は夫、長女、長男。

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きっかけ
 結婚16年目の2012年に夫の実家に就農することになり、翌年経営移譲しました。私自身、農業をやることにとても後ろ向きでしたが、やるからには自分の道を切り開きたいと思い、ジュニア野菜ソムリエの資格を取り野菜の勉強をしました。レタス中心の野菜農家でしたが、自家用で作るトウモロコシがあまりに美味しかったのでいろんな人に食べてほしいと思ったのがきっかけで、農園の敷地内にテントを張り、薪ストーブで茹でて販売しました。それがとても好評で、近所の商店跡の建物を譲っていただき、そこから農業2年目に農家のお店「ひより」を始めました。
苦労
 小笠原農園は、私たち夫婦と夫の両親の家族経営ですが、私たちの就農後は作物の種類を増やしたこと、また、普通一般に行われている栽培方法から有機栽培に移行したこと、さらに、お店を始めたことで、仕事量がとても増えてしまいました。また、「ひより」の営業期間(8~9月)は、朝もぎトウモロコシの収穫時期でもあるため、その大仕事を終えてからの開店準備は少々きつく、みるみる痩せていきます。でもスタッフやお客さんに支えられながら、充実した毎日を送っています。
満足度
 期間限定ですが、自分の居場所が持てたことは大きいです。十勝管内を中心に旅行客が立ち寄ってくださり、何年も繋がって、そういった中で「ひより」ファンという方々がお子さんの学校の間に手伝ってくれたりもします。直接対面しての販売なので自分たちの作った野菜に対し、「元気が出る」「愛を感じる」更には「ここに来ると癒される」と言っていただくことも。自慢のリーキが営業の末、地元はもちろん札幌などのホテルや飲食店にも広がって評価をいただき、頑張りに結果がついてくると自信も持てるようになってきました。
これから
 将来の夢は、羊やアルパカなどの動物を飼って、家族で仲良くファームインをして地元を盛り上げることです。それにはまず、もっと勉強をしていろんな人においしいと笑顔なってもらえるような野菜作りをすること、そこから「ひより」を充実させ農業経営から独立したものにして、年間を通して営業できるようにすることを目標にしています。農業を始めて6年とまだまだですが、1年1年成長を感じ、やりがいも出てきました。これからも幕別町、十勝、北海道と人との繋がりを大切にしていきたいと思います。
※ リーキ・・・地中海沿岸原産の野菜、西洋ネギ。ポロネギとも呼ばれる。
  • 小笠原さんイメージ1
  • 小笠原さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

一歩を踏み出してみると意外となんてこともなかったりします。夢は口に出して言ってみましょう!そして言い続けることが大事です。常に夢を口にしていると、きっと協力してくれる人が現れます。ピンときたらワクワクする方へ!が私のモットーです。

取材年月日:
2016年11月2日