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道南

大津牧場 ミルク茶房ひそっぷ 代表 大津 美保子 さん 【せたな町】

酪農からいろんな世界へ広げたい!

1958年生まれ、宮城県仙台市出身。宮城県農業短期大学(現・宮城大学)を卒業。上川町で農業実習に従事し、同級生だった夫と出会う。二人で新規就農を目指して結婚、1985年にせたな町に入植し酪農を開始。

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きっかけ
 サラリーマン家庭で育ち、父は単身赴任が長かったため、将来は夫婦で働ける農業やお店をやりたいと思っていました。その後、酪農をやるには、酪農家のお嫁に行けばできると思っていましたが、農業実習で夫と知り合い、27歳のときにせたな町に入植して、離農した方の設備等を買い取り、新規就農しました。現在30頭の牛を飼っており、搾乳のほか、アイスクリーム、ヨーグルト、チーズなどの加工品の製造・販売を行い、また、地域交流牧場全国連絡会に所属し、地域住民との交流などを目的とした体験牧場も行っています。
苦労
 新規就農で地域になじむのには時間がかかります。体験牧場の仲間との交流はありましたが、地域の方々と接する機会が少なく、また、外から来た自分たちと地元の方とでは、田舎の良さや自然のすばらしさへの関心に温度差を感じることもありました。搾乳は朝と夜の作業で、生活のリズムが他の家庭と違うところがあり、家も市街地から離れているため、親が送り迎えをしなければ友達と遊ぶこともできず、子ども達には我慢してもらうことが多々ありましたが、大自然の中での子育ては、やりやすいと感じていました。
満足度
 牛乳は、ホクレンで製品化する際に他の酪農家さんの牛乳とブレンドされるため、自分の牧場の牛乳の味を感じる機会が少ないのです。5番目の子どもが小学生になるとき、育児の負担が減り働きやすくなったので、事業拡大することを決め、消費者とふれあう機会を持ちたいという思いから、加工品の製造・販売を始めました。お客さんが商品を美味しいと言ってくれたときや、特にチーズは製造が難しいため美味しくできたときが嬉しいです。お店をやることで地域との交流機会も増え、やって良かったと感じています。
これから
 20年前に勉強したとき、ファームステイなどは旅館業法の適用があり難しかったが、最近は規制が緩和されたようなので、ファームインをはじめてみたいです。夫が生産した野菜と、私が製造した乳製品を料理してご馳走したい、調理したものを直ぐに食べてもらいたいという思いがあります。ピザ窯も造る予定です。それから、今となっては地域の方々との交流も深まり、夫は地元の駅伝大会、私はバレーボール大会のそれぞれ主催者としても活動しています。昨年の「北の★女性からのメッセージ」を見せていただき、改めて、私も頑張ろうと思いました。
  • 大津さんイメージ1
  • 大津さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

アイスクリームの直売所を始める時は、色々な人に、自分がやりたいことを話しました。そうすると、色々な方々が力を貸してくれました。そして、奇跡が起きたのです。皆さんも、自分の夢を、周りの人に話してみませんか?余談ですが、我が子はアイス食べ放題でした。(笑)

取材年月日:
2016年11月25日