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道北

木工クラフト作家 斎藤 綾子 さん【中川町】

地域材を使ったものづくりで木を大切に使いたい

1985年生まれ、宮城県仙台市出身。東北学院大学大学院を修了後、環境調査会社に勤務。退職後1年間木工クラフトの修行をして、中川町へ移住、地域おこし協力隊として活動。2016年度末で地域おこし協力隊を終了し、現在はフリーで創作活動を行う。

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きっかけ
 大学院修了後に勤務した環境調査会社では森に入って調査を行うことが多かったのですが、切り倒された使えそうな木が林地残材としてたくさん残っており、なぜ利用されないのかという思いがありました。捨てられてしまう木材を何とかしたいという思いから、仕事を辞めて1年間の木工クラフトの勉強をしながら地域の木材で木材加工ができる場所を探していました。そのような中で中川町の「森林文化の再生」の取組を聴き、移住することを決意。さらに、地域おこし協力隊への参加について町の人からアドバイスをいただき活動を始めました。
苦労
 地元の仙台から遠く離れた中川町へ移住することに家族からは「何でそんなに遠くに行くの」というくらいで特に反対はありませんでしたが、実際に移住してみると、短い夏にイベントが凝縮されているなど、生活のサイクル、くらし方、文化のこれまでとの違いには多少の戸惑いは感じました。また、地域の木材を使いたいという思いで移住しましたが、町には製材所がなく、製材された木を買えないので、生木を荒削りして2年間乾燥させてから仕上げるなど木の処理に試行錯誤しています。
満足度
 2~3年かけて木材を天然乾燥するなど手間暇かけてつくった木の器が、お客さまの手に渡ることがこの活動の中での大きな喜びです。また、町民の方が庭木を切ったものを材料として提供してくれたり、町が実施する森林浴のイベントの中で振る舞われる地元産の食材を使った料理にも自分の作品が食器として利用されるなど、町の皆さんにも協力をいただいています。自分でやりたいと思っていた林地残材を使ったものづくり、そしてそれを人に届けるという役割に少しずつ近づいてきたと思っています。
これから
 とにかく続けていくことが今の一番の目標です。そのためには、地域おこし協力隊を卒業し、今年から自営で木工クラフトを続けていくことになりましたので、まずは経営をしっかりしなくてはいけないと思っています。また、お客様がほしいと思える価値があるものをつくり続けていかなければならないと思っていますが、今は世界中の作家たちが、SNSなどを利用してそれぞれの技術を披露し合っているので、私もそういった作家の皆さんと切磋琢磨しながら自分の技術を磨いていきたいと思っています。
  • 斎藤さんイメージ1
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北の☆女性たちへのメッセージ

初期には、あれこれ考えずに身を投じる勢いも必要だと思います。その後、自己実現の行く先とその立ち位置を見つけたら、そこからは、ひとつひとつの現実的な積み重ねが自分を形作るのだと思います。

取材年月日:
2017年11月2日