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道央

NPO法人北海道エコビレッジ推進プロジェクト 理事長  坂本 純科さん

余市を拠点に、理想の実現へ一歩ずつ

1967年生まれ、東京都出身。北大農学部卒業後、札幌市役所に13年間勤務。退職後はNPO活動に従事。2006年に渡欧、約3年間滞在し各地のエコビレッジを探訪。帰国翌年に長沼町でエコビレッジライフ体験塾を開講。2012年にNPO法人化し、拠点を余市町に。札幌市在住。

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きっかけ
 大学の寮生活と、社会に出てからのルームシェア体験が、共同生活をポジティブに考えるベースになっています。24歳の時に、長期入院する大けがを経験してからは、海外の障がい者施設へ車いすを届けるNPO活動に参加するようになりました。市役所では、公園の設計を担当していましたが、住民と関わる中で、縦割りの政策による社会課題の解決に限界を感じ、民間での活動を本業にしようと2004年に退職しました。エコビレッジはその頃から関心があって、実際の運営を知るためにヨーロッパへ行こうと思いました。
苦労
 英国の大学院に籍を置いて、ヨーロッパ各地のエコビレッジを訪ねました。必要なものを自分たちで創りながら共同生活を営み、限られた資源をシェアし、福祉や子育てのサポート体制も整備されています。住民同士が助け合うコミュニティは、社会的に意義があることだと確信しました。帰国後に「まずは仲間づくりと情報発信」と考え、長沼町の体験塾を立ち上げました。多彩な人材が集まり、小規模ながら米や野菜づくり、小屋の建築体験など活動が充実していきましたが、次のステージに進むには、生活空間としての土地探しとお金が課題になりました。
満足度
 幸い、友人の紹介で余市町の果樹園を好条件で借りることができ、2012年に6ヘクタールの土地での活動がスタートしました。2014年度には「余市エコカレッジ」を開講、研修棟として使う「学び舎」も完成しました。2015年度は、近隣の生産者とのチーム体制が築かれたことが大きな前進で、養鶏、養蜂、ワイン醸造など体験プログラムの幅が広がり、参加者の満足向上にもつながりました。研修事業では国内外の大学や団体のほか、中高校生の修学旅行も6校28人を受け入れ、農村環境での学びに対するニーズの高さをあらためて確認できました。
これから
 私は、集まって住むことが北海道の地方再生のヒントになると考えています。当NPO法人の会員さんは都市部の方が多く、週末畑に通う方、夏の間来る方、作物を買って応援してくれる方など、関わり方はそれぞれです。多様な参加の機会を大事にして、つながりを広げていきたいと思っています。2016年3月には、宿泊棟となる「シェアハウス」が完成し、滞在型の研修や移住定住促進に向けた環境整備も進んでいます。一方で、畑の管理や事務局などの基本的な部分がまだ弱く、プロジェクトを担ってくれるスタッフを増やしていくことが直近の課題です。
  • 坂本 純科さんイメージ1
  • 坂本 純科さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

北海道は新しいことを受け入れやすい土地。私が外国から帰ってきて、両親や友人がいる本州ではなく北海道を選んだのはそれが理由です。新しいものをゼロから創れる場所。特に「小さく始める」みたいなことに女性は強いと思うので、楽しみがたくさんある土地だと思います。

取材年月日:
2016年2月23日