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道東

認定NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト 理事長 三膳 時子さん

自ら遊んだ花の湿原を子どもたちへ残す

1957年生まれ、浜中町出身。札幌市での短大進学・就職で一度浜中町を離れるが、地元に戻り結婚。1986年に発足した霧多布湿原ファンクラブを事務方として支える。2001年に、民有地を買い上げるナショナルトラスト活動を展開するための「NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト」の立ち上げと同時に理事長就任。

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きっかけ
 湿原は子どもの頃からの遊び場でしたが、ここが好きで東京都から移住してきたご夫婦が始めた喫茶店で旅行者と話すうちに、自分も気付かなかった魅力を知りました。ファンクラブを作ろうと会員を募りましたが、1986年8月に立ち上げてわずか4か月で1,000人を超えました。その後2~3年で会員は3,000人ほどになり、会報発行など裏方として関わってきました。湿原を保全し、子どもたちが花を身近に見ることができるよう、当初は地主さんから借りる形でしたが、買い上げてほしいという話をいただいたのをきっかけに、NPO法人を立ち上げました。
苦労
 理事長に就任して、実際に動き始めた時にはすごく後悔しました。ものを知らな過ぎて。いろいろな会議にも声がかかるようになりましたが、参加者には女性も少ないし、話をするのも苦手でした。今でも、皆さんの気持ちにこたえることができているのか、感謝の伝え方が足りないのではないか、と思っています。でも、活動のたびに多くの方が集まり、とても暖かいメッセージが届いたりします。自分だったらここまでできるのかなと思うくらい。本当に感謝しています。会員は全国にいますが、機会があればできるだけ多くの会員にお会いしたいと思っています。
満足度
 ファンクラブ発足から30年経ちました。これだけ長く継続して活動ができたことは、感慨深いです。1次産業の町なので自然と関わることが多い分、住民の皆さんも自然環境を大切にすることで、自分たちの生活に大きな影響がある、という意識が強くなったと感じます。レジ袋削減、エコバッグ持参運動も、それほど抵抗なく進みました。「湿原クリーン作戦や町内へのアピールなど、環境問題を長くやってきたことが啓発になった」「きれいな湿原という活動が、ごみの減量の啓蒙になっていた」と言われて、うれしかったですね。
これから
 世代交代を常に考えていますが、なかなか実現できないのが課題です。地元の若い方々とつながって、ガイドなどの技術を身に付けて活動に参加してくれたらいいな。霧多布高校にはボランティア同好会があって、木道づくりなど色々お世話になっています。最近は地元の方々などを講師に招いて「浜中学」という授業を行っています。学んだことを実践する場所として、トラストを活用させてほしいという話もあります。2016年の夏には、高校生とのコラボレーションが実現する予定です。高校生が花の湿原を案内するなんて、楽しいと思いませんか。
  • 三膳 時子さんイメージ1
  • 三膳 時子さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

人と会うのが好きで、楽しいと思いながらやり続けることができました。楽しいことの割合を多くすると、もっと頑張れてしまうのが女性かもしれない、と思います。ここは本当に不便なところですが、湿原に立って広大な自然のままの花を眺めると、心が安らぎますよ。ぜひいらしてくださいね。

取材年月日:
2016年2月17日