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道央

清水沢プロジェクト 代表  佐藤 真奈美さん

炭鉱町の歴史と息吹を伝え、未来につなげたい

1979年生まれ、大分県別府市出身。大学卒業後、JR北海道の客室乗務員に。夕張市清水沢地区の町並みに魅了され、退社後に入学した札幌国際大学大学院で修士論文のテーマとする。夫と9歳の長男、5歳の長女の4人家族、札幌市在住。

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きっかけ
 夕張市との出会いは、15年ほど前です。京都の大学を卒業し、北海道で働き始めたころ、夕張市を訪れました。人気の少ないアパート群を見て、それが炭鉱住宅だと初めて知りました。その後、ずっと心に残っていた旧産炭地域の地域振興を学びたいと思い、2006年、大学院に入学。修士論文は、夕張市内でも炭鉱の面影が色濃く残る清水沢地区を研究対象としました。終了後は炭鉱遺産を活用したまちづくりを行うNPOに所属し、昨年独立。この町との出会いは、私の人生にとって最大の転換点となりました。
苦労
 知らない若い人が何かしている、というのが最初の住民の方の反応でした。住民の方にとっては、ズリ山(石炭を掘った時に出てきた不要な岩石を積み上げた廃棄物の山)は登るものではなく、発電所もそこにあるのが当たり前のもの。「何でこんなものに興味を持つのか」と不思議に思われました。でも、幾度となく清水沢地区を訪れ、地域の行事に参加したりするうちに、最初は窓から見ているだけの方々が徐々に近づいてくるようになりました。「よそ者」から少しだけ「身内」に近づいてきたかな、と思っています。でも、この町の住民のほとんどは高齢者です。次を見据えての行動が必要ですね。
満足度
 この町には炭鉱の記憶を伝える貴重な財産がたくさんあります。赤と青の屋根の対比が鮮やかな炭鉱住宅が整然と並ぶ風景を多くの方に見てもらえるよう、住民の方と一緒にズリ山に階段を作り、今でも年に一度整備作業を行っています。90年前に建てられた旧発電所では、2011年と2014年に現代アートのイベントを開催。JR清水沢駅では、鉄道や夕張に関する展覧会を4年半にわたり開催するなど、炭鉱の記憶がいきいきと伝わるイベントが好評です。
これから
 2015年に夕張市からの補助を受けて、町内会集会所をさまざまな方々の活動拠点にするよう、整備を始めました。今後は、夕張市の石炭博物館などと連携して、この町全体を見学や体験学習を通じて交流ができる「エコミュージアム」としていきたいですね。この町は宝の宝庫です。そのすばらしさを地域内外の方に知ってほしい、そんな思いで一杯です。高齢化が進みタイムリミットはありますが、私自身、この町への興味はまだまだ尽きません。夕張市、そして清水沢地区のファンをもっと増やすために頑張り続けたいですね。
  • 佐藤 真奈美さんイメージ1
  • 佐藤 真奈美さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

炭鉱って豪快な炭鉱マンのイメージがありますが、実は家庭や地域を支えてきたのは女性なんです。イベントの時にも、彼女たちのパワーはすごいです。強くて頼りになる女性たちが築いてきた、炭鉱の町の歴史と今の息吹を多くの方に伝えたいですね。ぜひ清水沢へどうぞ。意外とはまりますよ。

取材年月日:
2016年2月18日