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道南

津軽海峡マグロ女子会 北海道側リーダー  杉本 夏子 さん【松前町】

力強く泳ぎ続けるマグロのように、女子力で地域を元気に

1973年生まれ、松前町出身。松前町の「温泉旅館矢野」の3代目若女将。松前町産の本マグロや天然の蝦夷アワビを食材とした料理が人気メニュー。10歳になる一人娘について「旅館を継いでとは言っていませんが将来は娘と一緒にやっていきたいですね」

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きっかけ
 祖母、母、そして私と3代続けて旅館の娘として松前町で育ちました。10年ほど前に札幌市から戻り、娘を出産しました。旅館の若女将となり、このまちを見ると、おいしい食材など、多くの魅力にあふれています。でも知名度は低い。「この魅力をもっと発信したいな」と思っていた時、海を挟んだ青森県の女性、そして道南の女性達に出会いました。「道南と青森県は津軽海峡を挟んだマグロの名産地。じゃあマグロ女子会を作り、両地域の魅力を発信しよう!」と話が進み、2014年3月に立ち上げました。
苦労
 松前町は、漁業が重要な産業です。漁業と、経済効果の裾野が広い観光を結ぶことが課題です。漁業から見た観光の活用と、観光から見た漁業のつながりを、より良い形で結びつけたいと思います。身近すぎて見失いがちですが、地元の私たちが普段から美味しいと食べている素材が実は地域の突出した持ち味です。それをどう表現するかが「おもてなし」を演出する旅館業の役割であり、道南の各地域の魅力を発信し、つなげていくことができれば、と思っています。
満足度
 メンバーは、さまざまな業種の20歳代から60歳代の約70人で、現在もマグロ女子=マグ女(マグジョ)は「増殖中」です。これまでに両地域の魅力発信ツアーなどを実行してきました。2016年3月には北海道新幹線が開業します。でも、開業だけで地域は元気になりません。地域の資源を活かした地元ならではの商品化が大切だと思います。女性ならではのシンプルな思考回路と、マグロのようにたくましく泳ぎ続ける行動力で、魅力的なおもてなしを提供するぞ!という熱意にあふれています。
これから
 今、全力を尽くし、歳を重ねた時に「このまちで生まれ、そして暮らして本当に良かったな」と静かに思える人生でありたいと願うだけです。成果や結果は、誰からも評価されることではありません。自分の人生なのだから、自分自身で決めることです。マグ女は「マグロ」ですから、満足して振り返ったらだめなんです。常に前を見ながら泳ぎ続けていないと死んでしまいますから。愛する松前町を基地に、これからも多くの仲間とともに泳ぎ続けていきたいですね。

北の☆女性たちへのメッセージ

今やっていることに壁を感じたときは「同じ想いを持った同志は必ずいる」と思ってください。そうして出会った人は、壁に当たったからこそ出会えた貴重な仲間です。自立して自発的に行動し、強い意志を持った人がつながれば、大きなエネルギーになります。

取材年月日:
平成27年11月6日