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オホーツク

株式会社ワイズスタッフ 代表取締役、株式会社テレワークマネジメント 代表取締役 田澤 由利 さん【北見市】

テレワークを活用し、しなやかに輝く生き方を

1962年生まれ、奈良県生駒市出身。上智大学卒業後シャープに入社。退職後、株式会社ワイズスタッフと株式会社テレワークマネジメントを設立する。自宅でくつろぐことができるのは月の3分の1程度だが、その時は高校生の三女とじっくりと向き合う。「普段会えない分、一緒の時の絆は深まりますね」

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きっかけ
 大学卒業後、会社員として6年半勤めましたが、子育てや夫の転勤で退職しました。でも、能力と意欲があるのに同様の理由で退職する女性は大勢います。そんな女性を支援したい、という思いが強まり、北見市で、在宅勤務や在宅ワークが可能なインターネット上のオフィス「ワイズスタッフ」を1998年に立ち上げました。10年経った頃、ふと思いました。「在宅勤務する人をもっと増やすには企業を変えなければ」。そこで企業の在宅勤務導入などを支援するコンサルティング会社「テレワークマネジメント」を設立しました。
苦労
 テレワークが広がれば、それぞれの個性や能力、生活環境に応じた働き方が可能となります。でも、これまでの日本の社会では、9時から17時まで、オフィスに来て働くのが当たり前というのが絶対的な価値観です。また、テレワークを導入すると人間関係が希薄になるのでは、と懸念する方もいます。テレワークはすべての仕事を在宅で、ということではありません。会って話すことはコミュニケーションの基本です。これを補完する柔軟な働き方がテレワークです、ということを皆さんに伝えています。
満足度
 「テレワーク」とは「離れた場所で仕事をする」こと。働きながら子育てしている方は、保育園などで子どもが熱を出した場合、仕事を中断して迎えに行かなければなりません。在宅勤務が可能になれば、子どもを迎えに行って、自宅で仕事の続きができます。また、北海道で子育てを、と思っている方もたくさんいます。テレワークが実現すると、東京都から北海道に住もうと思う方が増え、北海道の活性化にもつながるのでは。柔軟で活力のある社会の実現に向けて取り組んでいる、という充実感があります。
これから
 テレワークと並行してテレエデュケーション(遠隔教育)への取り組みを考えています。都市と地方の教育格差が問題になっています。ICTを活用し、通常の教室と同様に、決まった時間に席につき、先生と議論しながら教育を受けることができる環境を提供することで、こうした問題の解決の一歩となるのでは、と考えています。教育も、テレワークと同様に人との出会いが不可欠です。ICTをバランス良く組み合わせる中で、地方にとって望ましい教育環境の創造が可能になると思います。
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北の☆女性たちへのメッセージ

壁にぶつかり、悩んでいる皆さん。そんな時は周囲をよく見て下さい。抜け道があるかもしれません。壁を壊すことのできる道具が見つかるかもしれません。くじけず、焦らず、しなやかに生きることを忘れずにいれば、道は必ず開けるはずです。

取材年月日:
2015年11月11日