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道南

江差追分 唄い手 寺島 絵里佳さん・寺島 絵美さん・寺島 真里絵さん【乙部町】

三姉妹で江差追分を追い求め、次世代へ伝えていきたい

3人とも乙部町出身。長女の絵里佳さん(1983年生まれ)は、2003年開催の第41回江差追分全国大会にて優勝。次女の絵美さん(1984年生まれ)は、2006年開催の第44回江差追分全国大会にて優勝。三女の真里絵さん(1987年生まれ)と共に、三姉妹で江差追分の魅力を発信。

※写真:(左から)絵美さん、絵里佳さん、真里絵さん

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きっかけ
 私(絵里佳さん)は、幼少期から演歌や歌謡曲が大好きで、気付いたら歌っている…そんな女の子でした。初めてステージに立ったのも4歳ごろだったんですよ。年長さんだった私と次女の絵美が地元の民謡教室に通い始め、その後、私達のお稽古に付いてきていた三女の真里絵も一緒に通うようになりました。当時を振り返ってみると、江差追分や民謡との出合いはごくごく自然な流れだったのかもしれませんが、三人とも二十数年唄い続けていますので、それも私達に与えられた「運命」だったように思えてなりません。
苦労
 小学生の頃はお稽古のため、放課後に友達と遊べなかったり、海やプールへも行けなかったり、中学生になると部活動でくたくたになった後にお稽古が待っていました(笑)。声変わりではないですが、声が裏返って思うように出ない時期もありましたね。苦労や犠牲にしてきたことも確かにありますが、「辞めた方が後悔する」と心に刻んでいました。真里絵は、姉二人が江差追分全国大会優勝のタイトルを取った後、周囲の期待が次第にプレッシャーに変わったようですが、大会出場を重ねることで「前を向いていくしかない!」と気持ちの切り替えがうまくできたようです。
満足度
 地元・乙部町や周辺地域のイベントに呼んでいただき、三姉妹そろってステージに立てる喜びは格別なものです。そして、幼少期から私達を応援し続け、足を運んでくださる町民の方の存在は心の支えになっていますね。三姉妹そろって元気な姿を見せ、感謝の気持ちを唄声に込めて恩返しをしていきたいです。私一人で活動することも多く、江差町にある江差追分会館で江差追分や北海道民謡の実演のほか、江差追分会からの派遣や企業の懇親会、各地のイベントなどで唄っています。年齢を重ねるごとに、充実した「唄一筋の人生」への喜びは増していく一方です。
これから
 所属する江差追分の支部「水堀(みずほり)愛好会」にて、2015年ごろから指導する立場になりました。師匠であった藤島重悦氏が2004年に亡くなり、長年指導者不在の時期が続いていました。30代の若さで師匠の後継者になるとは驚きでしたが、「江差追分の魅力を私らしく伝えていこう」と、20名ほどの生徒さんと日々向き合っています。真里絵は私達と同じタイトルを取ることを目標に頑張っていますし、絵美はおばあちゃんになっても唄っていたいそうです。私も声の出る限り唄い続け、活動の場を広げていきたいと思います。
  • 寺島さんイメージ1
  • 寺島さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

目指すものは人それぞれ違いますが、自分の夢をつかむためには努力することを惜しまず、目標に向かってひたすら前へ進むことが大切だと思います。人より何倍も努力して自分に自信がつけば、よりよい結果は後から必ずついてくると思いますよ。

取材年月日:
2017年7月12日
(長女の絵里佳さんを中心にお話をお伺いしました)