108

道央

にじ色子ども食堂 主宰 安田 香織 さん 【札幌市】

ここに行けばみんながいる…一緒にご飯、食べよ

1970年生まれ、札幌市出身。2001年、「労働と福祉を考える会」入会、路上生活者の支援活動、2009年、ホスピス病棟・生活介護事業所などでヨガのボランティアを開始。2012年、児童養護施設入所児童と交流。2015年、札幌初の子ども食堂「にじ色こども食堂」を開設。

印刷用PDF

きっかけ
 「子ども食堂」=「子どもの貧困」と結びつけられがちですが、それは私達の思いとは異なります。私は若い頃、アパレル業界に勤務し、「綺麗になる」ためのお手伝いをさせていただきました。が、美しさの価値を外側のみに求めることに疑問を感じ、内面性へ目を向け始め、様々な本を読み、路上生活・障がい・難病疾患の方など多くの方々と関わり、夜回り活動等にも参加しました。そして4年ほど前、児童養護施設の子ども達と出会い、衣食住に不足無い環境で暮らす彼らの、物では解消しがたい辛さや悲しみを知りました。そんな時、東京の「こども食堂」を知り、主宰者の方を訪ねていきました。
苦労
 札幌市内で「子ども食堂」の活動をされている組織のお手伝いをしたかったのですが、当時、北海道に「子ども食堂」はなく、自分でやるしかない!と。フェイスブックで呼びかけたところ、湊厚子さん(調理班リーダー)から「うちを使って」と。また、費用は自腹を覚悟していましたが、友人で農家の娘・山下さん(食材調達担当)が野菜の提供を申し出てくれました。市内初の活動のため、周知にはハードルがあり、「子ども食堂」=「子どもの貧困」の先入観から、「子どもの貧困は親の責任でしょ?」とも。最初は、小・中学校へ伺っても門前払いでしたよ。
満足度
 オープンから活動を支える4人のスタッフには各自の思いがありました。その思いが重なり子ども食堂を立ち上げ重なった思いが今、広がりをみせています。運営をサポートしてくださる男性・女性、学生ボランティア、食材等を提供してくださる農家や企業等、そしてもちろん、小・中学生と保護者の方々。「子ども食堂」へ行く子どもを「貧しいから」と認識するのは考え直してください。ここは地域コミュニティとしてのふれあい場、子どもだけでは無く大人も楽しんでいる空間。学校ではなく、職場でも家庭でもない、第3の居場所。その居場所にみんなの笑い声が溢れている、至福の時です。
これから
 現在、「子ども食堂」以外に、札幌市教育委員会を通じ就学援助家庭へ食材提供する「にじ色おすそ分け事業」、「にじ色学習スペース」等を行っています。持続した活動の為には、揺るぎない基盤を構築したい。また、子ども達に提供したいものは食事だけではありません。見知らぬ誰かと食卓を囲むことにより、他者への気遣い等の社会性を身につけて欲しい。行政は行政の、私達は私達の、各自が役割を担い社会は動く。そういった視点で活動を続け、いつか地域の各家庭がオープンとなり子ども達を迎え入れ、「子ども食堂」は不要となることが願いです。
  • 安田さんイメージ1
  • 安田さんイメージ2

北の☆女性たちへのメッセージ

いくつになってもチャレンジすることを忘れないでください。自分自身の限界を自分で決めないでください。今しようとしていることは、自分のために、人のためになるのだと、恐れずに動き出してほしいと思います。

取材年月日:
2017年2月27日