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道北

農業女子ネットワーク はらぺ娘 代表  安丸 千加 さん【上富良野町】

跡取り娘たちの熱い思いが北海道の農業を元気に!

1986年生まれ、上富良野町出身。2007年に北海道立農業大学校を卒業後、メロン農家である実家で就農。
2012年に管内の女性農業後継者を中心とした「ふら農嬢(ふらのっこ)」を立ち上げ、その後「はらぺ娘」の設立を進め、代表に就く。

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きっかけ
 農業は大好き。継ぐことにも迷いはありませんでしたが、大学を卒業して両親と農業を始めると、知らないことばかり。農家を継ごうという女性が周りにいてくれたらすごく助かるし、楽しいな、と感じました。でも女性後継者の組織はありません。婦人部ともちょっと違うし。だったら自分たちで作ってみよう、と思いました。北海道農業公社が開催した研修会で知り合った仲間らとともに、2013年12月に全道各地の25人で「はらぺ娘」を立ち上げました。年齢層は20歳代から30歳代が中心。独身から既婚者までさまざまです。
苦労
 農業はまだまだ男性社会ですね。跡継ぎになる娘も「嫁に行かず家を手伝っている」と見られがち。メディアにも登場しましたが、地域で理解が十分に深まったかというと、どうかなって思います。活動が尻すぼみになってしまうと「やっぱりね」という声も出るでしょうから、それなりにプレッシャーを感じています。シンポジウムに出ても「女性の視点からの話を」など、女性ばかりが強調されることが多いですね。好きでやっているのだから特別に見ないで、と思うこともたびたびあります。
満足度
 「悩みを分かち合い、楽しく元気に農業を」が「はらぺ娘」の活動方針です。2014年12月には「シンデレラパーティー」という婚活を企画しました。農家の跡取り娘が夫を、というのは珍しかったようで、結構話題になりました。「はらぺ娘」のPRになったのはありがたかったのですが、「はらぺ娘」=「夫探し」のように受け止める方もいて、ちょっとね、という感じです。みんなが一堂に会するのは年に一度の総会程度ですが、仲間同士で連絡を取り合い、愚痴をこぼしたり励ましたりなど、楽しくやっています。
これから
 発足して3年目を迎え、会員も35人に増えました。活動の手応えとともに、会員の温度差も感じます。2015年に入ってからは、道北、道東、そして道央・道南の3つのブロックに分け、それぞれのリーダーが中心になって活動をすることにしました。門戸は広く開けています。「はらぺ娘」に入って、地域のリーダー的な存在になってくれればいいなぁ。3年ぐらいが節目かな、と思っていましたが、今はすっかり「はらぺ娘」にはまっています。

北の☆女性たちへのメッセージ

地域と農業を元気にしたい、という思いで活動しています。農業に限らずさまざま仕事で女性を特別視する風潮は根強いですが、理解して協力してくれる方もたくさんいます。明るく楽しくがんばりましょう!

取材年月日:
2015年10月13日