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十勝

スローフード・フレンズ北海道 リーダー 湯浅 優子さん

「母なる大地とともに生きる喜び」を広げて

1950年生まれ、東京都出身。23歳の時、農業実習生として新得町へ。翌年結婚し、1996年に夫とともに日本初の酪農ファームイン「つっちゃんと優子の牧場のへや」を開業(現在は休業中)。2002年に北海道スローフード・フレンズ帯広(現スローフード・フレンズ北海道)を設立。

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きっかけ
 昭和も終わりの頃、農場は乳牛を80頭ほど飼う規模にまで拡大しました。でも、少しずつ「おかしい」って思うようになりました。一日中がむしゃらに働いても経営は厳しく、余裕もなく働かされている、という思いが強まりました。ちょうど時代が平成に変わる頃、ヨーロッパの持続型農業を学ぶフォーラムに参加しました。衝撃でした。「農業は多様で良いんだ」と気付き、その後グリーン・ツーリズムを学び、ファームインを始めました。そうした中で、スローフード運動に出会いました。「自分が本当にやりたいこと、伝えたいことはこれだ!」と直感しました。
苦労
 「食」に対する不安は多くの方が感じています。でも、「危機感」を持つだけでは何も変わりません。まずは、できることをやっていこうと思い、多くの仲間と語り合いました。食のあり方を見つめ、暮らし方を変えていきたいという思いはいつのまにか、北海道でスローフードのネットワークとなりました。これまでの組織的なものではなく、フラットな関係を大切にする会となりました。リーダーという存在は特別ではなく、みんなが各地で自主性を持って取り組んできたことが、ここまで来られたのだと思います。みなさんのおかげですね。
満足度
 グリーン・ツーリズムに取り組む際、私のバイブルは、当時農政部の主任で後に副知事になる荒川裕生さんたちが作った、ヨーロッパ農業に関するレポートでした。ここで紹介された都市と農村の共存・交流を実践するために、ファームインを開業しました。食卓を囲むことの楽しさ、大地の恵み、食の大切さ。お客様との交流から多くを学びました。私の原点です。スローフード運動のスローガンは「おいしい・きれい・正しい」です。農業・農村は、人と地域とつながりながら、大地に根ざして生きていく大切さと共にそのことを伝えられる場だと実感しています。
これから
 2015年11月に、十勝、占冠、札幌の3会場で、北海道では初となる「テッラ・マードレ・ジャパンin北海道2015」を開催しました。「テッラ・マードレ」は「母なる大地」という意味。様々な団体や個人が集い、つながり、食を育む大地の未来を考えようという、スローフード協会の世界的なミーティングです。多くの方と出会い、つながることができました。ボランティアで参加してくれた学生たちも、自発的に動き、手づくりのイベントを楽しみました。彼らの感動とたくましさは、大きな財産です。「母なる大地とともに生きる喜び」が次世代へとつながる手応えを感じました。
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北の☆女性たちへのメッセージ

おいしいものをみんなで食べると心が通い合い、会話も弾みます。人生はいろいろな悲しみや苦難もありますが、笑顔で楽しく生きることの大切さを忘れずに、と思っています。暮らしや仕事に志や哲学を持つと、人生は豊かになります。食卓を囲む笑顔の周りには人が集まり、きっと生きる力になりますよ。

取材年月日:
2015年12月21日